(前のページの続きです。→その1はこちらです。)
3 勉強会を開く際の注意点
答案の書き方は人によってさまざまですが、メンバーが個々の方法論に従って自由に意見を言うだけだと、勉強会の効果が薄くなってしまいます。
それは、
・答案の書き方や基本的な議論の流れが自分と大きく異なる相手に対しては、「どこをどう改善すればよいと思うか」を指摘し辛い
・「自分とは大きく異なる方法論に従って言ってもらった指摘」を自分の方法論の中で位置付けるのに苦労することになる
といった理由からです。
それは、
・答案の書き方や基本的な議論の流れが自分と大きく異なる相手に対しては、「どこをどう改善すればよいと思うか」を指摘し辛い
・「自分とは大きく異なる方法論に従って言ってもらった指摘」を自分の方法論の中で位置付けるのに苦労することになる
といった理由からです。
したがって、勉強会をする場合、そのメンバーの間で、ある程度の基本的な答案の書き方が共有できている方が理想的です。
そこで、合格者の講演・予備校の先生方が書いた本・当ブログで紹介している書き方など、何でも良いですから、ある程度の基本的な答案の書き方をメンバーで共有したうえで勉強会をすることをお勧めします。
4 私の場合
参考までに、私の参加していた勉強会のうちの一つは、以下のような感じでした。前のページで説明した3点についてかなり勉強になったと思います。
メンバー:クラスメイト数人程度
内容:本試験過去問の研究発表+相互答案添削(事前に答案を見せ合っておいたうえで、勉強会において口頭でコメントし合う)
頻度:週1回
基本的な答案の書き方:本試験合格者による答案の書き方講義(メンバー全員受講済み)
頻度:週1回
基本的な答案の書き方:本試験合格者による答案の書き方講義(メンバー全員受講済み)
※実はこれ以外にも別のメンバーと勉強会をしていたことがあったのですが、そちらでは答案の書き方についての考え方が共有できておらず、私個人としてはあまり身にならなかったと感じています。そのような経験もあって、上記のとおり、基本的な答案の書き方について共有することをお勧めします。
5 勉強会ができる環境にない場合
例えば大学・ロースクールを卒業して下宿から実家に戻った、とか、社会人でまとまった時間を取りづらい人たちなど、勉強会ができる環境にない場合もあるかと思います。
このような場合は、どこのものでもよいですから、予備校の答練や模試等を必ず受けるようにすることをお勧めします。これらを受ければ、合格者に自分の答案を読んでもらったうえで、添削コメントがもらえますから、前の記事で述べたような勉強会のメリット①②③の一部ないし全部を得ることができます。このように自分の答案を人に見てもらって意見をもらう機会は、必ず確保するべきです。
なお、確かに答練や模試等は、添削者一人にしか答案を見てもらえませんし、「自分がどういう意図でそのような論述をしたか」を含めて相談するといった双方向的な機会は得られません。しかし、合格者による添削コメントが得られるという点では、より効率よく自分の不足部分を洗い出すことが期待できるというメリットもあります。(「自分の答案の悪い部分」が不明のまま終わってしまう確率が相対的に低い。)
6 まとめ
以上のとおり、可能なのであれば、仲間たちと勉強会の機会を設けることをお勧めします。
その際には、
・勉強会で何を得たいのか(書くことの選別、表現の修正、あてはめの相場観など)を意識すること
・基本的な答案の書き方を共有できているメンバーで勉強会を組むこと
等に留意するのが良いでしょう。
そして、どうしてもグループで勉強会をするのが難しい場合は、必ず答練・模試等を受けるようにするのが良いです。