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4 再現答案、参考答案の読み方②・・論証、あてはめ等の実際の書き方/文例の仕入れ
答案の法理論的な骨組みが分かったとしても、実際の試験では、見出しだけ並べるのではなく、文章の形で答案を書かないといけませんので、具体的な文章表現を考える必要があります。
この点、確かに、参考答案の言い回しを全部覚えていく必要は本来ありません。書くべきことは、問題提起の仕方、論点の論証、あてはめでの具体的な書き方など多岐にわたりますし、問題ごとに修正が必要となってくる部分が多いので、全てについてあらかじめ丸暗記するのは困難ですし、文章表現自体は実際に試験の現場で考えればよいからです。
とはいえ、予め定型文句・定型表現を決めておけるならば、その方が試験場で言い回しを考える時間が短縮できるので、できる限りは事前に準備しておくべきです。
そこで、例えば以下のような点について、具体的に参考答案でどんな表現がされているかを確認し、それを覚えていく、ということが有用になります。
(1)普通に論証パターンを覚える
これは、参考答案ではなく論証集等で覚えても良いです。ただ、参考答案等ではある程度コンパクトな実戦的バージョンが使われていることが多いので、どのあたりが省略されているか、どのようにコンパクト化されているか、最低限必要なのはどこかを覚えるのに役立ちます。
(2)議論の始め方、つなぎ方を覚える
例:「甲の~の行為について、〇罪が成立しないか検討する。・・・」など
(3)実際の典型的論述パターンを覚える
あてはめにおいては「肯定否定どちらの結論を採っても構わない」という場面も少なくありませんが、いずれの結論を採用するとしても、「考えようによってはそれなりに納得できる」というような論拠とともに自分の結論を導く必要があります。
そのため、「こういう要件/こういう事例では、こういう論拠でこういう結論を導けば説得的になる」というパターンをできるだけ用意しておくのが良いです。例えば以下のような場面です。
あてはめにおいては「肯定否定どちらの結論を採っても構わない」という場面も少なくありませんが、いずれの結論を採用するとしても、「考えようによってはそれなりに納得できる」というような論拠とともに自分の結論を導く必要があります。
そのため、「こういう要件/こういう事例では、こういう論拠でこういう結論を導けば説得的になる」というパターンをできるだけ用意しておくのが良いです。例えば以下のような場面です。
〇例1:違憲審査基準の手段審査のあてはめで、「~の点で目的に資することは否めない。しかし、・・という目的を達成するには、~という、より制限的でない手段でも可能である。よって最小限度の手段を超える」とするような典型的な論述の流し方
〇例2:執行停止の「損害」要件について、「~という損害は、事後的に金銭によって回復できるようにも思える。しかし、本件処分が失効されてしまうと、・・・といった健康被害や、ひいては生命侵害といった回復困難な損害が生じる恐れがある」とするような典型的な論述の流し方
(4)小括
上に述べたもののほかにも、参考答案等を見て「前にも別の答案例で見たことがある」というような言い回しや論理展開など、「使えそう」なものをどんどん覚えていくと良いです。
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