「条文、論点知識を覚えても、それを答案のどこにどう書けばよいのかわからない」「問題集、答練の解説が今一つピンとこない」という人向けに、答案の書き方を紹介するブログです。「何を書くのか」「なぜ書くのか」「どう書くのか(具体例)」を解説します。
記事タイトル一覧は、右の「記事一覧」リンク、または「ブログアーカイブ」の►ボタンから御覧ください。
2019年12月1日日曜日
第18回 悩みどころ/悩むべきでないところ その2
(前の記事の補足です。→その1はこちらです。)
3 補足
なお、「教科書を見ても論点化されていないけれども自分は気になる」点が出てきたときに、よく調べてみると実は最新の議論では問題提起されていた、ということがあります。
また、本試験の現場で「見たこともないような論点」の検討が必要となることも多少はあります(例:通常の判例学説による処理だと不公平・不当な結果が導かれる場合で、一定の修正が求められる場面など)。
このような場面があるのなら、やはり個人的な疑問点も大切にすべきではないのか?と思われるかもしれません。
しかし、まずは「個人的な疑問・関心」はとりあえず脇に置いて勉強を進めるのをお勧めします。
その理由は、以下の2つです。
・個人的な疑問は、自分以外誰も悩まないようなものである可能性が小さくないため、これにいちいち勉強時間・紙幅をつぎ込んでいると、効率が良くないこと
・①司法試験の出題では未知の論点のウェイトは大きくないし、②司法試験は相対評価であるため、みんなが書くようなことをしっかり書いていれば普通に合格できること
「みんなが書くところをしっかり書く」ためには、「みんなが書けるところを落とさないこと」だけでなく、「みんなが書かないようなところに時間・紙幅をつぎ込んでしまわないこと」が重要です。ですから、自分の個人的な疑問点等はひとまず脇に置いておき、「受験生みんなが知っているような論点を全て自分も書けるようにし、他の受験生に書き負けないようにする」ことを目指していくのが効率的・現実的でしょう。
受験生であればどこかで聞いたことがあるかもしれませんが、「すごい答案を書く必要はない」のです。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
第20回 再現答案・参考答案等の読み方 その3
(前のページの続きです。→その1は こちら です。) 4 再現答案、参考答案の読み方②・・ 論証、あてはめ等の実際の書き方/文例 の 仕入れ 答案の法理論的な骨組みが分かったとしても、実際の試験では、見出しだけ並べるのではなく、文章の形で答案を書かな...
-
(前のページの続きです。 →その1は こちら です。 ) (2)B 伝聞例外に当たるかの検討 ア 伝聞例外の基本構造 これは、基本的には各伝聞例外の 条文上の要件を一つずつ検討すればよい です。要件を列挙して各要件を検討する、という、 「 法適用の基本構造 」...
-
第8回 民事訴訟法答案の基本構造 その1 1 総論と具体例 民事訴訟法においても、 法適用の基本構造 のとおりに論じるのが基本です。 例えば「甲の主張は、『時機に遅れた攻撃防御方法・・・』(民訴157条)に当たるとして却下されないか」を論じる場合には、 ①法...
-
0 議論の大枠について 典型的な自由権侵害等の法令違憲答案の流れについては以前の記事で説明しましたが、今回は平等権侵害の法令違憲の場合の答案の書き方の説明です。 平等権問題の処理は通常の自由権等とやや異なる手順となりますが、その大きな流れは以下のとおりになります...
0 件のコメント:
コメントを投稿