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2019年12月1日日曜日

第18回 悩みどころ/悩むべきでないところ その2



(前の記事の補足です。→その1はこちらです。


3 補足

 なお、「教科書を見ても論点化されていないけれども自分は気になる」点が出てきたときに、よく調べてみると実は最新の議論では問題提起されていた、ということがあります。

 また、本試験の現場で「見たこともないような論点」の検討が必要となることも多少はあります(例:通常の判例学説による処理だと不公平・不当な結果が導かれる場合で、一定の修正が求められる場面など)。

 このような場面があるのなら、やはり個人的な疑問点も大切にすべきではないのか?と思われるかもしれません。

 しかし、まずは「個人的な疑問・関心」はとりあえず脇に置いて勉強を進めるのをお勧めします。

 その理由は、以下の2つです。

・個人的な疑問は、自分以外誰も悩まないようなものである可能性が小さくないため、これにいちいち勉強時間・紙幅をつぎ込んでいると、効率が良くないこと
・①司法試験の出題では未知の論点のウェイトは大きくないし、②司法試験は相対評価であるため、みんなが書くようなことをしっかり書いていれば普通に合格できること


 「みんなが書くところをしっかり書く」ためには、「みんなが書けるところを落とさないこと」だけでなく、「みんなが書かないようなところに時間・紙幅をつぎ込んでしまわないこと」が重要です。ですから、自分の個人的な疑問点等はひとまず脇に置いておき、「受験生みんなが知っているような論点を全て自分も書けるようにし、他の受験生に書き負けないようにする」ことを目指していくのが効率的・現実的でしょう。


 受験生であればどこかで聞いたことがあるかもしれませんが、「すごい答案を書く必要はない」のです。




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