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2020年1月12日日曜日

第20回 再現答案・参考答案等の読み方 その1


1 概説

 合格者の再現答案集や、問題集や答練の参考答案を見て、同じような書き方をしたい、と思っても、なかなかうまく真似られないこともあると思います。

 今回は、こういった参考答案等を読む際にどのような点を意識すればよいか、どこをどう真似ればよいのか、という点についてのお話です。


2 再現答案・参考答案等の重要性について

 近年の司法試験では、出題の趣旨や採点実感等において、「何をどう書くべきか」についてかなり具体的な指摘があり、目指すべき答案像を自分で作りやすくなってきています。しかし、答案の書き方にまだ慣れていない場合には、何の文例もなく答案を作成していくのは難しいと思います。

 そこで、再現答案・参考答案等を見てそれを真似る、というのが、答案の作り方の良い勉強になります。

 こういった答案例は、司法試験委員が作ったものではありませんから、「正解」答案、というわけではありませんが、優秀な合格者や予備校の先生方等が作ったものですし、前にも触れた(※)とおり「みんなが書くような普通の答案を目指す」という観点からも、どんどん真似ていくべきです。

 では、そういった答案例は、どのように読めば真似られるようになるのでしょうか。そもそも、どこを真似ればよいのでしょうか。

(※)「第18回 悩みどころ/悩むべきでないところ」など参照


3 再現答案・参考答案等の読み方の基本的な方針

 模範的な答案と全く同じものを書けるようになれば良いようにも思えますが、実際には、そもそも同じ問題は本試験で出ませんから、再現答案等を一字一句そのまま覚えてもあまり意味がありません。

 では、何を理解し/覚えるために再現答案等を読むのでしょうか。

 最終目的地は、もちろん「本試験の初見の問題で、時間内に合格答案を書けるようになること」です。

 そのためには、「どんな問題が出ても」「何度でも再現可能な形で」答案の書き方を身に付ける必要があります。

 そして、「(初見の問題での)再現可能性」に着目するならば、参考答案等を読む際に重要となるのは、「どこに」「何を」「どう」書いているかを把握することです。

 別の言い方をすれば、

①答案の議論の流れがどうなっているか(答案の法理論的な骨組み)
②あるトピックについて、具体的にはどのような書き方をしているか(論証、あてはめ等の実際の書き方/文例)

の2点が重要となるものと言えます。

 ①は「どこに」「何を」に対応し、②は「どう」書くかに対応します。

 以下、この2点に分けて、より具体的に説明します。


(次のページに続きます。)

第20回 再現答案・参考答案等の読み方 その3

(前のページの続きです。→その1は こちら です。) 4   再現答案、参考答案の読み方②・・ 論証、あてはめ等の実際の書き方/文例 の 仕入れ  答案の法理論的な骨組みが分かったとしても、実際の試験では、見出しだけ並べるのではなく、文章の形で答案を書かな...